語学を身につけて、これからの将来のために、就職をまず目標として留学を検討や計画している学生、または社会人も多いでしょう。

留学の目的こそ人それぞれにはなってきますが、広い視野で新しい環境を経験することができ、語学力向上には日本で学校に通うよりも習得の成長ははるかに期待できるでしょう。

そのまま海外の大学に進学したり、海外就職をするのなら別ですが、日本に帰って仕事をするなら、就職活動をクリアしなければいけないのです。

しかしながら、留学経験を活かせず、留学経験者が日本に帰国してから就活に苦労するという話もよく聞きます。

留学経験なんて評価されない、既卒になると就職は難しい、企業は留学経験を遊んでたと見なす、などなど。

留学は就職に果たして本当に不利なのでしょうか。

留学イコール不利と言われるのは、どうしてなのかここで解明し、留学経験を就職に有利にするにはどうしたら良いか見ていきたいと思います。

せっかくお金と時間をつぎ込んで留学するのだから、帰国後の就職にも有利になるような留学生活を送りたいですよね。

留学後に日本での就職を考えている人はぜひ参考にしてみて下さい。

1、留学経験が企業から評価されないその理由

不安そうな表情の女性

実際のところ、留学経験のある学生は山ほどいるので、今時の就職活動の中で、留学経験そのものが評価されることはなかなかないのが現状です。

海外の名の通った大学を卒業しているとか、学位を取ったなどの一歩レベルの高いところを目指さない限り、結局のところ、留学経験があるだけでは他の学生との差別化は図れません。

また留学自体をデメリットに捉える企業も中にはあります。

特にワーキングホリデーはその名の通り、ホリデーという名目が立っていますから、実際に勉強よりも遊んで帰ってくる学生が多いです。

特に、休学や留年して留学していた学生は、本来学ぶべきことから逃れて海外に行ったという、現実逃避型の遊学の印象を持たれてしまいます。

そうすると、日本の大学でコツコツと勉強してきた学生の方が、魅力と捉える企業は少なくありません。

そして、外資系ではなく一般企業の一部からは、留学経験者は扱いにくいと思い込まれている可能性があります。

日本の組織で上下関係がしっかり根付いた企業の傾向かもしれません。

日本で就職しようと考えている人は、自分の入りたい会社や職種が、留学経験をどう捉えているかを企業内見学などでよく情報を得てから、留学を決めましょう。

また語学に関しては、企業が必要とする英語が出来るというのはあくまで仕事をする上での一要素でしかなく、英語が必要な職種の場合、英語が出来ることは当たり前なのです。

逆に出来ないと困るだけなのです。

長期留学して語学堪能になっても、やっとそこで必要最低限のレベルに立ったと同じだけなのです。

特に語学力を必要とするような職種では、普通みなさん堪能ではなくても業務に支障がない程度には出来るのです。

ですので、英語が出来るから色んな企業から引っ張りだこということにはなりません。

語学で勝負するなら英語の他にフランス語やドイツ語、中国語なども合わせて習得していれば、ライバルも少なく、企業によっては評価されるでしょう。

2、大学生は留学するタイミングも考慮して

飛び立つ飛行機

海外留学のタイミングは、大学生の半ば頃がいちばん選ばれやすいといえます。

大学在学中は大学の奨学金制度や交換留学制度が活用でき、自由に行動しやすいからです。

しかし、日本で新卒社会人としての就職を目指すなら、この時期の海外留学は就職活動にとって不利になる面はあります。

大学生で留学する時期によっては、海外に滞在しながら就職活動しなければならない状況になることもありえます。

帰国してから就職活動を始めていては遅いなんてこともあります。

そして、日本に居なかった分、就活に対する知識が少なくなってしまう、という物理的な問題もあります。

日本で開催される合同説明会に何度も足を運ぶことができない、また、友達と就活について頻繁に情報交換することができないため、就活についての知識が少なくなりがちです。

また帰国した時期によっても採用をやっている企業、かつ興味のあるところを絞っていくと、応募できる企業がそもそも少なく、選択肢はかなり限られてくると思います。

短期戦かつ選択肢が少ないから、自分と仕事とのマッチングをじっくり考えられる時間もあまりありません。

いろいろ面接を受けていくうちに、『やっぱりこの業界に興味がある!』『こんな会社受けてみたい!』と思うこともあると思いますが、留学前、留学中から常に就職のチャンスにつながる情報はしっかり見極めて収集していきましょう。

他にも就活への準備としては、留学についての記録を残しておくことです。

留学で日々直面するつらいことや、自分が感じたこと、変わったなあと思ったことについて記録しておくと、後で役に立つと思います。

具体的な就活をする以外にも、キャリアについて、そして自分のやりたい仕事について考え続けておくことは大事です。

3、留学経験を活かせる企業はどんな会社か

企業イメージ

外資系企業は、社内公用語として職場で英語が必要な企業であり、多くの留学生が、留学を通して習得した語学力を活かしたいと目指しています。

しかし、日本企業でも海外赴任、海外出張または社内からでもEメールや電話で海外のクライアントと英語でコミュニケーションを取るという形で、語学力を採用の基準としている企業はあります。

海外との取引のある会社であれば英語力を生かした活躍が可能ですので扱っている商品や取引先、海外拠点、海外でのシェアなどをポイントに企業を分析してみるとよいでしょう。

グローバル化が進む現在、様々な業種、職種で英語を使える人材を必要としています。

しかし、 英語はあくまでもコミュニケーションツールですから、英語を使って何をしたいのか、職種を絞っていく必要があります。

会計なのか、営業なのか、マーケティングなのか、エンジニアリングなのか、、、ということも同時に考えてください。

また、採用されても入社してすぐに英語が使える希望のポジションに配置されない可能性もありえます。

そういうことを含め、 英語が使えるということにこだわり過ぎて企業選びをすることは、あまりお勧めできません。

そのため希望の企業で自分が何をしたいのかということもよく考えて企業選びをしてください。

4、面接での留学経験のアピールの仕方

面接を受ける大学生

面接では、なぜ留学したのか、留学で得たものは何か、留学中、一番楽しかったこと、または苦労したことは何か、などの切り口で質問されるでしょう。

その面接のとき、語学力だけをアピールするのは避けたほうがよいでしょう。

留学生の場合には、海外で培った語学力を活かすことのみにこだわったり、持っている資格やスコアを挙げて、語学力そのものをアピールしがちですが、人事担当者は、語学力をみるのではなく留学経験を通して得たことを会社にどう活かせるかを見ています。

そのため、上記でもお話ししましたが、語学力だけでは採用の決め手にはなりません。

他の就活生や転職する人と同じく、しっかり対策を立てて、自分を雇うことで希望の企業にとってどんなメリットがあるのか。という点を掘り下げてアピールしなければいけません。

また、日本での就職を目指すのであれば、まずは学生の本分である『勉強』をきちんとこなしてきたというアピールをするべきです。

いわゆる遊学生、海外で遊んでばっかりの留学をした学生ではないということを知ってもらいましょう。

重要なのは、語学留学を経て、異文化と触れて他ならぬ自分が感じたこと、思ったこと、学んだことを自分の言葉でしっかりアピールすることです。

日本のように言葉も通じず、文化も違った環境でどんな苦労を経験し、どのように考えて、どう行動したのか。

留学経験という武器をどのように活かすか、自分が留学して得た強みは何か、そこを伝えられないと上手くいきません。

英語が話せることのほかに、日本では出来ない経験をしてきてそれはどんな経験だったか、枠組みにとらわれない広い視野をもつことができたこと、行動力、バイタリティは負けないこと、そして具体的にどんな行動を取ってきたか、どんなことに適応し、異環境での適応能力が身についたこと、などをポイントにしてアピールできるように準備しましょう。

面接で、留学経験を自信を持って話す態度は人事担当者には評価されます。

留学生活で思い通りにいかない現状をこうやって乗り越えたという体験談や、海外に行って苦労してでも何かを身につけてきた経験談に対して共感してもらえることが期待できるのです。

人事担当者は、あなたが募集職種に対して適性を持った人材か、求められた役職を任せることができる優秀な人材かどうか。

ここにフォーカスをおいて、あなたのことを評価してくれるでしょう。

そして留学経験者の立ち振る舞いに将来性を感じられ、自分で考え業績向上につながる行動のできる人に採用を出してくれるのです。

5、留学を経て自身の可能性を広げてくれる転職

ガッツポーズをするビジネスマンとビジネスーマン

日系企業における転職にはネガティブなイメージがあるかもしれませんが、外資系企業において転職はネガティブなイメージで捉えられることはありません。

むしろ、役職を上げるため、給与を上げるため、新しい職務にチャレンジをするために必要だと基本的な認識を持っています。

転職をすることにより、これまでのキャリアを生かして他の企業でさらに上の職務を担当する機会に恵まれることができます。

また、他の企業で必要とされるスキルを持っていれば今よりも好条件で働くことも可能となります。

さらに自分自身の可能性を広げることができるのです。

転職先でさらに自身のキャリアアップをしたいという思いをもとに留学で得た語学や専門的なスキルをアピールすることができるので、留学経験を売りに働かせることは十分可能です。

キャリアアップのための留学であり、以前の会社を辞めた理由に整合性が存在し、きちんと理解できるものであれば留学経験から得たスキルなりで評価され、転職へ有利に働かせることも十分期待できるでしょう。

まとめ

一部では留学は不利とされてしまう現実はあるものの、留学生活の過ごし方で留学を有利に就職活動に活かすことができます。

留学後にどんな自分になりたいのか、何を身につけたいのか、どんなことを就職に役立てたいのか、面接では何をアピールするか。

留学後の具体的なビジョンを描けている人ほど、留学期間を有意義に過ごし、目標や夢を達成しやすいと思います。

あくまでも留学すると就職に有利だから海外へ行くのではありません。

その経験を将来にどう繋げられるか目標を持って逆算していくといいですね。

留学という限られた時間の中で、やるべきことをしっかり見直し行動しましょう。

その後に挑む就職活動で、留学経験を戦略的に使えるように準備していきたいものですね。