語学や資格の習得、ワーキングホリデーを利用した就労体験だけではなく、新しい土地で、「新しい個性を見つけてみたい」、「今の自分を変えてみたい」、「今までとは違う私を演じてみたい」…そんな思いを描いてカナダに来る人も多いはず。
ここでは、カナダにおける素敵な女性の立ち居振る舞いについて考えてみましょう。
カナダで、新しいあなたに巡り合えるかも?
1、笑顔が行き交う、カナダの街
すれ違いざまにふと目が合った知らない人が微笑みかけてくれる、信号待ちをしていたら、知らない人が笑顔で話しかけてくれた、こうした光景がカナダではよく見られます。
そんな些細な瞬間から、気がついたら知らない人と話が弾んでいた、ということも。
日本では、さっと目をそらすべきシーンで、積極的にアイコンタクトをし、笑顔を交わしあう姿はカナダ独特の光景です。
恥ずかしがらず前を向いて、まずは笑顔で歩いてみるところからはじめましょう。
2、カナダ流の挨拶をマスターしよう
日本では、「おはよう」、「こんにちは」だけで済んでしまう挨拶。
それに対して、“Hi Karen, how are you doing?”からはじまり、話を広げていくのがカナダ流。
天気の話、家族の話、学校の話、近所の耳より情報や興味深いイベントの情報まで、挨拶から始まるたった数分のコミュニケーションで、カナディアンライフをより充実させてみませんか?
その際、常に相手の目を見ながら話をすること、相手の名前をしっかりと覚えて、それを織り交ぜながら話をすることがカナダの作法。
初対面の際も、
“I’m Karen, nice to meet you.”
“Hi Karen, I’m Hannah, nice meeting you.”
“Hi Hannah…”
のように、名前を確認しながら挨拶が交わされた後、会話が展開されていきます。
相手の名前をきちんと把握しておくことが、コミュニケーション上、とても大切な要素なのです。
また、日本人からよく聞かれる、「人と話すときの距離感」と「どのタイミングでハグをすべきか」という問題ですが、カナダには多くの移民がいるせいか、特別なルールはありません。
ハグの代わりに、握手や単に目を見て微笑みあう、といった方法もよくとられます。
「日本人はハグしないんでしょう?じゃあ、握手しましょう!」などとストレートに言われることも。
あまり深く考えずに、相手の動きに目を配りながら、コミュニケーションの距離感をつかんでいってみてはいかがでしょうか。
3、ポジティブを身にまとう
大らかで明るいカナダ人。
どんなにつらいことがあっても、それを面白おかしく話のネタにしたり、こんなに悲しい思いをしたんだから、これからはきっと良いことしか起こらないはずと、ポジティブに表現していく姿をよく見かけます。
“I learned a lesson.”((悪い経験などから)学んだわ。)
“Let’s move on.”((悪いことはさっさと忘れて、)前に進みましょう。)など、
聞いている側が逆に勇気づけられるような話もたくさんあります。
ポジティブな発言は、聞いている人をも明るく楽しい気分にさせるもの。
ポジティブを身にまとって、心地よい空間を作ることができる人になりたいものです。
さて、その際によく見られる、いわゆる“外国人的”なジェスチャー。
人差し指と中指をクロスさせて“Good luck”のように、定型化したものもあるものの、そこはカナダは移民の国、表情や会話中の身振り手振りに堅苦しい決まりはなく、自由度があります。
心や話のおもむくままに、表情とジェスチャーを駆使してみましょう。
話が何割増しかおもしろく聞こえてくるはず?!
4、カナダで学ぶ、立ち居振る舞い
「困っていたら、声をかけてくれた」、「荷物を持つのを手伝ってくれた」、「ドアを開けて、私が入るまで待っていてくれた」、「道を聞いたら、そこまで案内してくれた」など、「カナダには、親切な人が多くて驚いた」というのは、多くの日本人留学生から聞かれる言葉です。
例えば、バスや電車などで、妊婦やお年寄り、小さい子供に席を譲るという行為は、カナダでは常識。
困っている人を見て、見て見ぬふりなんてできないのがカナダ人の親切心なのです。
カナダで学ぶ、素敵な立ち居振る舞いも多いはず。
素敵だなと感じたこと、されてうれしかったことは、自分の行動パターンにも積極的に組み入れていきましょう。
5、自分を表現する勇気
“Maybe…”、“I think…”、“I don’t know (what to say).”などは、日本人が多用する英語表現だと言われています。
そこには、日本人的なふたつの要素が関わっているようです。
ひとつめは、「はっきり言うのも角が立ちそうだし…」、という日本人的な配慮。
結果、終始聞き役に回ってしまう、ということも多いのではないでしょうか。
はっきり言わなくても空気を読んでほしい、そんな以心伝心を期待する日本人的な感覚は、カナダでは何を言いたいのかはっきりしない受け答えに、逆に相手をいらいらさせてしまうことも。
日本人的には聞き上手でも、カナダでは何を考えているのか分からない、話に広がりのないつまらない人という印象を与えてしまいます。
ふたつめは、失敗や誤解を恐れて発言を控えるという日本人独特の特徴。
カナダは移民の国。
英語を母国語としない人も多く、失敗や誤解はコミュニケーション上、たいした問題にはならないものです。
つたない英語でも、カナダでは、あなたが言わんとしていることを一生懸命理解しようと適切な英語表現で言い換えて聞き直してくれたり、さらにはその場にふさわしい英単語や言い回しを丁寧に教えてくれたりもします。
カナダ人は、英語を母国語としない人たちとのコミュニケーションに非常に慣れているどころか、そういった人たちの英語力を上達させることにおいては、プロ中のプロなのです。
「ここにいる人たち、みんなが英語の先生」くらいの気持ちで飛び込んでいきましょう。
「郷に入っては郷に従え」、カナダでは勇気を出して、積極的に言葉を発し、学び、自分色を出していきましょう。
6、日本人としての誇りを体現しよう
カナダは移民の国。多様な国の様々な文化が垣間見られます。
会話の中で、「東京の通勤電車って、実際どんな感じなの?」、
「日本の寿司は、カナダの寿司とどう違うの?」、
「日本人は、今の世界経済をどうとらえているの?」、
「日本人はどうしてそんなに仕事熱心なの?」、
「日本の医療制度ってどうなってるの?」、
「こんな時、日本人だったらどうするの?」
など、多岐にわたる話題において、日本人としての意見を聞かれることがあります。
いろいろな国の人や情報、多様な価値観を生で見聞きできることがカナダの日常であり、その醍醐味。
私たちは日本の代表、カナダにいながらも、日本のことを正しく伝えられるように、日本人としてのアンテナをたもっておくことが、とても大切なコミュニケーションツールとなるのです。
日本人としてのアイデンティティーやあなた自身の持つ考えを的確に表現できるように、日々いろいろなことに思いを巡らせておくことが大切です。
同様に、日本人である私たちは、日本的な立ち居振る舞いを期待されていることも常に意識しておきましょう。
例えば、ものの手渡し方や扱い方などの動作の丁寧さ、パーティー会場での気配りの仕方、礼儀の正しさ、公共の場におけるマナーの良さなど、日本人の立ち居振る舞いが感嘆をもって評される場面は多くあります。
私たちは、日本人が長年に渡って培ってきた日本文化を背負ってカナダに来ている、という意識をもって、生活したいものです。
まとめ
カナダは移民が多いことから、多様な生き方、考え方が寛容に受け入れられています。
「男らしさ」、「女らしさ」といった固定化した概念もありません。
存在するのは、「自分らしさ」のみ。
立ち居振る舞いもあなた次第なのです。
素敵な立ち居振る舞いを体現するためには、日々「なりたい自分」を見つめ、努力していくことが肝要です。
良きものを守り、新しいことを学んでいくこと。
カナダでの留学は、その機会を与えてくれます。
自分がやりたいこと、なりたい姿を自分なりに描き、学び、体現していくこと。
そして、素敵な立ち居振る舞いができるようになった時、人が集う「人」となり、カナダ社会で生きる楽しさにつながっていくのです。