ワーキングホリデーができる国で人気の国といえばオーストラリアとカナダです。
その理由はどちらも留学生を受け入れる体制ができていて、英語を学ぶだけでなく海外生活を経験するのに治安が良く暮らしやすいからです。
オーストラリアとカナダ、私たちアジア人から見たら同じ英語を話す国で似ているようですが、まったく違う国です。
私自身はワーキングホリデーで、この2国にどちらも1年以上滞在しています。(オーストラリアはセカンドビザ取得、カナダはビジタービザで延長)
ワーキングホリデーをする上であらゆる視点から比較検討したいと思います。
1、ワーキングホリデービザの比較
◆カナダ
申請料金150カナダドル 約14000円
定員6500人
ワーキングホリデー制度に関しては、ビザの期限である1年間の中で最大24週間就学でき、就労にも特に大きな制限がなく、同一雇用主の元で丸一年働くことが可能、他国への旅行も自由にできます。
◆オーストラリア
申請料金440オーストラリアドル 約43000円
渡航する青年は毎年9,000人弱
ワーキングホリデービザは同一雇用主のもとで最長 6ヶ月間フルタイム(週38~40時間)の仕事をすることが認められています。
またオーストラリアは学生ビザでも働くことができ、期間は決められていませんが、1週間の労働時間が 20時間以内までと制限されています。
学生ビザであれば2週間で40時間(週あたり20時間)のパートタイムで働くことができます。
2、国の背景
人口と主要都市
◆カナダ◆
人口約3,500万人
カナダの主要都市はバンクーバーやトロント。
ワーキングホリデーや留学生はこの2都市に主に滞在しています。
◆オーストラリア◆
人口約2,400万人
オーストラリアの主要都市は、シドニー、メルボルン、ブリスベン、パース、アデレード、ゴールドコースト。
ワーキングホリデーや留学生は、シドニーを中心に滞在し、ラウンドと言って、ビザの期間中に各都市を回りながら滞在する人も多いです。
気候と地理
◆カナダ◆
カナダは寒いというイメージがありますが、日本の26倍という規模のカナダは、都市や州によってその気候もさまざまです。
留学先として人気の、西海岸のバンクーバーやビクトリアは最も寒い月の平均気温が5~10度ほどなので東京、大阪、名古屋などとさほど変わらず、カナダで比較的温暖で最も穏やかな気候と言われています。
バンクーバーでは10月・11月頃から3月・4月頃にかけては雨季に入り、日本の梅雨を上回る降雨量になりますが、真冬の体感気温は東京よりも暖かいと言われています。
夏は日中の最高気温が35度に達する日も多くありますが日本のような湿気はなく、爽やかな気候です。
夜9時頃まで日が明るいです。
同じく人気のトロントの冬は早く、11月には雪がちらつく日もあります。
1月の平均最高気温がマイナス5度、時期によってはマイナス10~15度まで下がり、体感温度はマイナス30度と言われています。
ダウンタウン地区は暖房完備の地下施設が発達しています。
日本では北海道と似ている気温です。
ですが、バンクーバーと同じく夏は大変暑く、日本のようにじめじめしていないので快適に過ごせます。
気温は16~27度程度ですが、32~35度になる日もあります。
同じく日が落ちるのが9時過ぎなので、暑い日は遅くまでビーチ、公園及びレストランのパティオは賑わいます。
カナダは夏が最も活気付き、週末にはあちこちでイベントが行なわれます。
◆オーストラリア◆
オーストラリアは日本の20倍の広さで、南半球に位置し、日本との時差がほとんどなく、年中暖かく過ごしやすいです。
大きな都市があるのは海岸沿いで、内陸は砂漠が広がっているので人が住めない地域となっています。
またオーストラリアは日本とは正反対で、日本が夏の季節にオーストラリアは冬となります。
10月終わりから 3月終わり位までが夏になりますので、クリスマスやお正月は夏本番と言ったところです。
冬は短く、5月~ 8月位までです。
地域にもよりますが、空気がかなり乾燥しており、実際の気温ほどの暑さは感じられません。
また、日中との寒暖の差があり、夜は比較的涼しく、クーラーなどの設備はまだまだ定着していないようです。
シドニーでは、1年の最も暑い月と最も寒い日の平均気温差が約10度ほどしかなく、特に冬の寒さは日本ほど厳しくありません。
1日の中でも温度差が激しく、太陽が顔を出している時とそうでない時は、体感温度がかなり違います。
そのため、夏でも雲が厚い雨の日はコートやジャンパーを着る人がいたり、逆に冬でもTシャツやタンクトップで過ごす人もいます。
カナダに比較すると暖かくすごしやすい気候ですが、オーストラリアの夏は日焼けがとても危険です。
通常、空にはオゾン層があり、このオゾン層が直接UVが来るのを防ぎますが、オーストラリアの頭上はオゾン層が壊れているそうで直接UVが差し込みます。
乾燥や紫外線には要注意です。
国民幸福度
◆カナダ◆
5位
◆オーストラリア◆
10位
2015年の国民幸福度を比べてみました。
『一人当たりのGDP、平均余命、国家権力の不正度合い、個人の選択の自由、国民の寛容度、自分が信頼を置ける人の多さ』以上の項目をもとにランキングされています。
カナダ、オーストラリアどちらも上位にランクインしています。
ちなみに日本は46位となっています。
1位:スイス
2位:アイスランド
3位:デンマーク
4位:ノルウェー
5位:カナダ
6位:フィンランド
7位:オランダ
8位:スウェーデン
9位:ニュージーランド
10位:オーストラリア
もっとも住みやすい都市
◆カナダ◆
3都市ランクイン
◆オーストラリア◆
5都市ランクイン
イギリス雑誌「エコノミスト」による最も住みやすい都市トップ10を見てみると10位以内にカナダ3都市、オーストラリア5都市と上位を占めています。
この結果から両国どちらも住むのに魅力的な都市だとわかります。
1位:メルボルン(オーストラリア)
2位:ウィーン(オーストリア)
3位:バンクーバー(カナダ)
4位:トロント(カナダ)
5位:アデレード(オーストラリア)
6位:カルガリー(カナダ)
7位:シドニー(オーストラリア)
8位:パース(オーストラリア)
9位:オークランド(ニュージーランド)
10位:ヘルシンキ(フィンランド)
10位:チューリッヒ(スイス)
3、語学について
◆カナダ◆
アメリカン・イングリッシュに基づいています。
私たちが学校で学習する英語はアメリカ英語がほとんどですので、馴染みがあり、訛りが少なく自然で聞き取りやすいです。
もちろんカナダは移民の国なので、南米系、インド系、ヨーロッパ系、中国系、など、色々いますので、話す人によっては、アクセントの強い方も多くいますが、語学学校の先生の発音はまず綺麗なアメリカ英語の発音です。
◆オーストラリア◆
基本的にブリティッシュ・イングリッシュを継承しています。
日本での主流はアメリカ英語のため、慣れていないと最初は聞き取りに苦労し、戸惑うかもしれません。
イギリスの英語に基づいた正統派の英語ですが、アメリカの英語とは異なることが多いので注意が必要です。
アメリカ英語とイギリス英語は実はかなり違います。
「発音」「つづり」「イントネーション」「単語」において異なります。
またオーストラリア独特のスラングもあります。
こうしたスラングはオーストラリアでしか通じない場合もあるので注意が必要です。
ですが、英語学習者はイギリス英語、アメリカ英語などはあまり気にしなくてもいいと思います。
機会があれば、その都度イギリス英語なり、アメリカ英語なり吸収していけばよいですし、2つの英語が混じって深刻な不都合を感じることはほぼありません。
4、経済面について
物価
◆カナダ◆
消費税12%
生活してみて日本の主要都市とさほど変わらない物価だと感じます。
しかし、現在不動産をはじめ物価が急速に上がってきている現状です。
またカナダはチップが必要ですので、外食する際やいろいろな美容院などのサービスを受ける場合チップの料金がかかるので、外での消費は意外とかさみます。
また都市部では家賃も高騰してきているのでシェアハウスをしている留学生がほとんどです。
◆オーストラリア◆
消費税10%
食料品なども含め、物価はかなり高いため生活費がかかると思います。
外食の際チップは必要ありませんが、日本より全体的に高いので生活費を抑えるには自炊は必須です。
そのため、仕事が見つからないと生活するのは非常に苦しいです。
オーストラリアに行くなら仕事は必須です。
仕事
◆カナダ◆
2016年最低賃金は値上がりし、現在10.45 カナダドル。
日本円で約900円になります。
ワーキングホリデーの留学生向けの仕事はだいたいこの最低時給からです。
それ以上の時給を稼ごうと思うと、力仕事や専門職になってきますので時給の高い雇用先を求める場合はもちろんある程度のスキルが必要となってきます。
ですが、カナダのレストランで働いた場合、チップはとてもお給料のプラスになります。
特に、お客さん担当制の日本食レストランや一般レストランのサーバーなどで働くことができれば、チップだけで1日100ドル近くもらえるところもあると聞きます。
時給ではなくチップが良い仕事に就ければ、時給以上に稼ぐ可能性があるのは魅力です。
◆オーストラリア◆
2016年最低賃金17.29オーストラリアドル。
つまり日本円で時給1,530円です。
オーストラリアは世界一最低賃金の高い国であり、ワーキングホリデーでオーストラリアなら貯金も可能と有名です。
オーストラリアも日本食レストランは多く日系の会社は日本人を推薦して雇用しています。
ですが、カナダと違い基本的にチップはありません。
また、ファームジョブがあります。
ファームジョブは外国人の労働力を当てにしていることもあり、求人が多く出ています。
ですのでこれを選択肢に入れると仕事の探しやすさはダントツでオーストラリアでしょう。
しかもファームジョブはあまり英語力を必要としません。
英語初心者でも仕事が見つけやすいのはかなりの利点と言えます。
5、人柄について
人柄
◆カナダ◆
カナダで他の国籍の方と話す機会もありましたが、カナダ人は非常に付き合いやすいと思います。
適度に明るく、つきやいやすい方々です。
移民の受け入れに寛大なので、留学生にとても優しいのもポイントです。
困っていればすぐに声をかけてくれますし、親切に対応してくれます。
アメリカ人や南米などの他の国籍の方と比べるとおとなしめです。
おとなしいというのは、人前で暴れ出したり踊り出したりする人が少ないことを言います。
ですので、その点からも日本人には親しみやすい印象も受けます。
それからワーキングホリデーで海外へ行くのに、日本人として海外で生活する上で、現地の人々から素直に受け容れられるかということが実は一番大切ですが、カナダは移民の国ということもあり、カナダの職場では外国人でも、英語にちょっと不自由な人でも、他のカナダ人従業員と同じように評価されます。
◆オーストラリア◆
オーストラリア人の性格の特徴といえば、とにかく陽気で楽しいです。
日本人と違い、何事にもあわてず、大丈夫、気にするな、という精神で、小さいことにはあまりこだわらない人が多いです。
とにかくマイペースです。
日本は年齢や職場の上下関係をとても大切にする社会ですが、オーストラリアは横のつながりの仲間意識を大切にする社会のような気がします。
山や海などの自然に触れ合うことが好きな国民性があります。
人生は楽しまなくては損という考えが多く、休日の楽しみ方が上手な国ではないでしょうか。
まわしに言わない性格の人が多いので、裏表が少ない国ともいえるかもしれません。
人柄については私の個人的な印象になるので、もちろんこの国民性に当てはまらない人もいます。
どちらの国もフレンドリーな方が多いです。
まとめ
以上色々な視点からオーストラリアとカナダを比較してみました。
大きくまとめるとすると、やはりキャリアアップ英語学習の為に渡航を決めているのであればカナダをお勧めします。
資金稼ぎプラス遊び目的ならオーストラリアがお勧めです。
どちらの国があなたに合っているか見えてきたでしょうか。
どちらの国も滞在するのに魅力あふれる国だと思います。
その国のことを知って現地でワーキングホリデーでのあなたの目標が叶えられるようにしてくださいね!