オーストラリア留学とカナダ留学のメリットとデメリット

私はカナダとオーストラリアの2カ国に留学へ行きました。

海外留学マスターは、この2国へどちらも体験している人が実は非常に多いです。

個人的には、時間と予算があるならどちらもそれぞれ良い面があるので両国体験することもお勧めしますが、そうでない方は多いので今回はメリット、デメリットを比較し、どちらの国へ留学すべきか、あなたにあった都市を決める材料になると思います。

そしてどちらの国にも、英語を伸ばすうえで、それぞれ大きなメリットがあることに気付いたのです。

カナダ、オーストラリアそれぞれのメリット、デメリットを見て、どちらの国があなたに合っているかのヒントになればと思います。

カナダのメリット

1.留学生受け入れ制度が整っている

約90校の4年制大学と約170校のカレッジからなるカナダの大学は、そのほとんどが公立で、どの大学も高い水準を誇り、大学間の格差はほとんどありません。

ですので、留学生にとっても高水準な教育を安く受けられるのは大きなメリットです。

また、2年制のカレッジでは、「職業訓練コース」と「編入コース」を提供しています。

カナダ独自のスタイルとして存在するユニバーシティカレッジは、元々2年制カレッジとして運営していた学校が、大学学位につながる勉強を提供するという目的で大きくなったもので、慣れ親しんだカレッジで4年制大学の授業をとることができるというメリットから、留学生の間でも人気が高くなっています。

カナダでは通常、大学入学の資格として高校卒業だけでは不十分で、ほとんどの大学が、高校で特定コースを履修していることを条件にしているため、日本の高校からはカレッジから編入する方法が一般的となっています。

2.日本でも慣れ親しんだアメリカ英語が学べる

標準的なアメリカの発音とカナダの発音は似ています。

英語の上達のゴールにアメリカ企業への就職や学校への就学など考えている場合は、カナダでの英語習得がお勧めです。

3.外国人に対する接し方が、他のどの国よりも平等

この点に関しては留学未経験の方には一番先に検討しない方が多いですが、外国人に対する抵抗がないというのはある程度現地で滞在するにおいて、大きなメリットであると言えます。

またカナダ人の人柄はおおらかで親切です。

日本でも田舎の人は親切・優しいといいますが、カナダは基本的には田舎なのでみんなのんびりしています。

カナダのデメリット

1.冬の寒さが厳しい

住む場所や留学先を選ぶときに、カナダが回避される大きな理由の1つが冬の寒さだと思います。

正直、寒くないかと言われれば、冬場は寒いです。

寒さの厳しさは場所によって異なってきますが、1月の平均最低気温はバンクーバーで0℃、トロントはマイナス7℃、モントリオールはマイナス17℃になります。

バンクーバーが東京並み、トロントが札幌並み、モントリオールは旭川よりも更に冷え込みます。

また冬場は日が沈むのも早く、4時頃には日が落ち、暗くなります。

カナダでの短期留学なら気候の良い夏場がオススメです。

2.医療事情

基本的には皆保険制なので、歯科がカバーされない点を除けば保険面は日本と似ています。

問題は医者が不足しているという点です。

病気の場合は、通常、ホームドクターに見てもらい、専門医へ紹介してもらいます。

しかし、ホームドクターを持たない場合や休みの場合は、予約が必要ないウォークインクリニックにかかる必要がありますが、多くの場合、医者不足からウォークインクリニックでは数時間から半日待たされます。

中には待っている間にかなり症状が悪化してしまう人もいるので健康管理には十分注意していきたいです。

3.チップ

カナダでのレストランやサービスを受ける際にチップが必要です。

これもカナダだけに限った話ではありませんが、日本でチップを払わない生活に慣れていると、結構面倒です。

どれくらい渡すべきか、常に料金の10~15%とかの計算をしなければなりません。

4.ドラッグ

北米大陸は薬物汚染が酷い所です。

タバコの値段が高いこともあり、タバコより大麻が普及しています。

日本では考えられませんが、今年カナダではマリファナが合法化されています。

オーストラリアのメリット

1.一年中比較的温暖で暮らしやすく大自然に恵まれた環境

オーストラリアの最も大きな魅力のうちの一つは、素晴らしい大自然に恵まれていることです。

豊かな自然をたっぷりと楽しみながら勉強をしたいという人にとって、オーストラリア留学はふさわしい選択となるでしょう。

オーストラリアには現在19の世界遺産があり、そのうち自然遺産は12となっています。

例えば、世界中のダイバーの憧れである美しいサンゴ礁が2000km以上続くグレートバリアリーフや世界最大の砂の島フレーザーアイランド、世界最大の一枚岩エアーズロックなど、オーストラリア各地にて日本とは全くスケールの違う大自然を体感することができます。

日本とは季節が逆となり、9~11月が春、12月~2月が夏、3~5月が秋、6~8月が冬に当たります。

都市によっても変わりますが、冬もそれほど寒くなく、冬の数か月以外は基本的にずっと夏のような気候です。

日本の夏ほど蒸し暑くはなく、シドニーは最高気温も27度前後ほどで大変過ごしやすいです。

日本との時差が1,2時間程度で連絡がとりやすいというのも日本のご家族にとっては安心です。

2.航空券をはじめ留学費用を抑えやすい

北米に比べ、 航空券の費用を大幅に抑えやすいというのがまずオーストラリア留学のメリットです。

留学やワーキングホリデーにかかる予算を抑えることもできます。

また、オーストラリアは語学留学先として長年人気がある国なので、 語学学校も充実していて、シドニー等の都市部では特に価格競争があります。

留学生の多い土地柄、留学生向けのシェアハウス情報なども充実しています。

また、オーストラリアではカナダと違い、学生ビザでも就労可能となっており、就学中にアルバイトや有給インターンシップが可能という点も大変魅力的です。

特に、学生ビザでも働けるという点は、しっかり勉強したいけど、できるだけ費用を抑えたいという学生にとって大きなメリットといえるでしょう。

そして、アルバイトの時給は日本よりもはるかに高く、現在の最低賃金は時給17ドル以上(日本円で約1500円以上)となっていますので、生活費はもちろん、学費を貯金しながら学生生活を送ることも可能です。

オーストラリアは最長2年間渡航できるワーキングホリデー制度があったり、学生ビザでも働くことができたりするなど、他国と比較して各種留学制度の充実度が高いというメリットがあります。

3.大学の教育水準が高い

世界の大学ランキングではトップ100位の中にオーストラリアの大学が8校がランクインしています。

オーストラリアの大学は39校の国公立大学と3校の私立大学の計42校。

この内8校がランクインしているということは、オーストラリアの大学の19%以上が世界トップランカーといえます。

オーストラリアでは通常、大学入学の資格として日本の高校卒業だけでは不十分で、ほとんどの大学が留学生向けのファウンデーションコース(大学進学準備コース)を修了していることを条件にしています。

ほとんどの専攻科目は期間が3年で、入学後すぐに専門課程の勉強に入るため卒業までにかかる期間は3年間となっています。

どの大学も高い水準でレベルの格差がほとんどなく、世界各国から優秀な留学生が集まることで質の高い教育を保っているのが特徴です。

それぞれの大学の得意分野が明確で、自然豊かな国ならではの環境学や、アジア地区に特化したビジネス系専攻科目も人気があり、看護学や理学療法学など医療・福祉系の専攻でも留学生を広く受け入れています。

オーストラリアの大学を卒業すると、1.5年から2年間の就労可能なビザが取得できるのも魅力です。

このビザを取得後、現地の企業で働き、長期就労ビザや永住ビザを得る留学生もいます。

卒業後、日本で就職活動をするだけでなく、オーストラリアで就職活動をすることもでき、視野と選択肢が大きく広がるのも、オーストラリア進学のメリットといえます。

オーストラリアのデメリット

1.日本人が多い

年間9000人以上のワーキングホリデー渡航者を始め日本人の留学先人気第一位のオーストラリア。

多くの日本人が渡航する留学先だからこそ安心という考え方もありますが、日本人ばかりでかたまってしまい日本語に甘えてしまって英語力を伸ばせないのではないか?ということを懸念される方にとってはデメリットといえるでしょう。

日本人観光客が多く、ワーキングホリデー渡航者も多いケアンズ、ゴールドコーストなどは、日本人観光客を対象としたお店も多く、日本人コミュニティも多いため、英語力をそこまで駆使せずとも日本語で生活できてしまう環境があります。

英語力向上を一番の目的として留学を考えている方にとっては、魅力的な環境ではないかもしれません。

2.物価が高い

ペットボトルの水1本が300円程度と、世界でもトップクラスに入るほど特に食料品など必要なものまで物価が高く、生活費はやや高めです。

日本の様に質は良くない事が多いので、必要なものを買っても直ぐに使えなくなり、修理が必要だったり、買い替えが必要です。

その分仕事の時給も高いため、働きながらであれば生活しやすいですが、勉学にしぼった留学の場合には十分な資金を用意することをおすすめします。

交通費や、全ての物価が毎年上昇しているのも、出費がかさむ原因の一つです。

スーパーマーケットではシーフードがあまり売っておらず、豚肉も見かけません。

日本人が自宅 で良く食べるようなこま切れ肉なども全くないので食品が限られてしまいます。

3.タバコの規制(喫煙者にはデメリット?)

禁煙国家なので、オーストラリア人はタバコを吸わない方が非常に多いです。

年々規制が広がっています。

ホテルロビー、レストラン、パブ・バー、列車、バス、会社内などは全て禁煙。

喫煙は主に屋外、値段も日本の2倍以上なので、愛煙家は苦労してしまうかもしれません。

また、週によって規制は違いますがタバコのポイ捨てや、ビルの出入り口4メートル以内での喫煙は罰金などがあるので注意が必要です。

これから留学してみようと思われている方は、タバコを吸わない方は問題ありませんが、吸う方の場合、基本的にホースステイは受け入れてもらえないパターンが多いです。

まとめ

留学は旅行とは異なり、その国の世界遺産や観光地を楽しむだけのものではありません。

あなたの目的やきっかけ、将来なりたい自分の像などをきちんと見極め、制度や資金をしっかりと考慮した上で留学先と留学プランを選んでみてはいかがでしょうか。

しっかりとした将来の希望が見えている方であれば、まず大学を比較検討してそれに合わせて住む都市は自動的に決まってくるでしょう。

そうでない方は、やはり、自分の好みで生活が合いそうな地域を検討してみるのをお勧めします。

カナダ、オーストラリアどちらも良い面とそうでない面があり、それを踏まえて渡航することができれば現地で戸惑うこともなく、スムーズな留学生活をスタートできるかと思います。

ぜひ頑張ってください。