留学する時期が決まり出発まで指折り数えている方、準備は順調ですか?
ところで、あなたが海外にいる間の公的な手続きはどうすれば良いか、ご存知でしょうか?
そこで、今回は留学前に必ずすべきことについてお話していきます。
渡航前にやっておかなければいけない役所手続きは、以下の通りです。
- 住民票(海外転出届)
- 国民健康保健
- 住民税
- 国民年金
- マイナンバー
それぞれの手続き方法について、ご紹介していきます。
長期留学の場合(1年以上)
初めに役所手続きとして幾つかあげましたが、個々の留学期間によって必要性が変わってきますので詳細はご自身で確認頂ければと思います。
ただし、1年以上の留学を検討している場合は、ほぼ全ての手続きを行う必要があります。
住民票(海外転出届)
1年未満の留学は旅行扱いとなるため住民票を抜く必要はありませんが、1年以上の留学の場合は現在暮らしている市区町村に「海外転出届」を提出し、住民票を抜くことが推奨されています。
仮に住民票を残して留学した場合、その期間の住民税、国民健康保険、国民年金の支払い義務も残ります。
そのため、1年以上の留学へ行く場合は節税として「海外転出届」を出すことを忘れないでください。
また、転出届を提出、受理された際に「転出証明書」を受け取るのですが、日本への帰国後の手続きで必要になりますので必ず保管してください。
国民健康保健
「海外転出届」を提出し住民票を抜くと、国民健康保健は自動的に資格が失われます。
国民健康保険に加入していない期間は、保険料の支払いの義務がなくなると同時に保険給付もありません。
もちろん、任意で国民健康保険に加入することも可能ですが、これを継続した場合には国民年金と住民税の支払い義務も発生することを忘れないでください。
海外は日本国内と比べて治療費が高いため、留学生は海外旅行保険や留学先の保険に加入するのが一般的です。
また、数ヶ月間の留学の場合でも、国内外どちらでも構いませんが保険に加入することを強くお勧めします。
住民税
毎年1月1日時点で日本に住民登録されていた場合、その年の6月から1年分の住民税の支払い義務が発生します。
ということは、2016年12月31日に住民登録から外れた場合は住民税の支払い義務は発生しません。
一方、2017年1月1日以降に渡航をした場合は2017年6月から1年間分の住民税の支払い義務が課せられるということです。
もし年末年始頃に留学を検討している場合は、住民税の節約になりますので、年内での渡航をお勧めします。(帰国後の住民登録の際に、パスポートの出国日及び帰国日の確認が必ず行われます。)
また住民税は前年の所得額によって定まっており、会社勤めをしている期間は給与から天引きされています。
退社後であっても退社前の1年分の住民税は課され、その納付書が毎年6月頃に届きます。
事前に所得税の支払いを家族に依頼しておきましょう。
国民年金
「海外転出届」を提出した時点で国民年金の支払い義務はなくなりますが、留学期間中も任意加入が可能です。
国民年金とは20歳から60歳までの最長40年間納める期間があり、そのうち最低25年間支払いがないと受給ができません。
さらに、支払い期間が25年間以上40年間未満の場合、受給できる額は減額されてしまいます。
通常、年金の加入及び支払いは日本国民の義務であり、満40年間の支払いが望ましいのですが、そのために留学期間中の年金を①留学期間中も任意で加入する、②帰国後2年以内に支払う、③60歳~65歳に任意で支払うという方法があります。
①留学期間中の任意加入を希望する場合は、「海外転出届」を提出するタイミングで必要な手続きを行ってください。
②国民年金は最大2年間まで遡って支払うことが可能です。逆を言えば、それ以上は遡ることができません。ビザの切り替えや留学先の変更などで長期間海外に滞在する方は注意してください。
③国民年金の支払い義務は60歳までですが、受給開始の65歳までの間は任意で納めることが可能です。つまり、60歳の時点で4年未満の未納期間があった場合、65歳までに任意で支払い、納付期間40年に達した場合は満額での年金を受け取ることができます。
国民年金の加入については個人に差がありますので、ご自身の金銭的な都合や将来設計を踏まえて加入するかどうか検討してください。
マイナンバー
「海外転出届」を提出した際に、個人番号は失効します。
留学期間中に個人番号が必要となる手続きが発生した場合でも、その記載をする義務は発生しません。
帰国後はマイナンバーが有効化されますので、マイナンバーカードは「海外転出届」を提出した後もご家庭で大切に保管してください。
短期留学の場合(1年未満)
1年未満の留学については、長期の旅行とみなされるため住民票を抜く必要はありません。
つまり、国民健康保険、住民税、国民年金の支払い義務は発生します。
保険については長期留学生と同様、渡航期間中は海外旅行保険や留学先の保険への加入を強くお勧めします。
国民年金は1年未満の留学の場合、前年度の収入状況や留学条件により掛け金の納付免除、納付猶予が適応される場合がありますので、役所に確認してみてください。
留学期間にもよりますが、4ヶ月以上の留学になる場合は節税のため「海外転出届」を提出する方が多く、住民票は残したまま国民年金の免除の手続きを行う方もいます。
その他手続き(国際免許証)、手続きに必要な物
上記では留学前に行うべき役所手続きについてお話をしてきましたが、もう一つだけ海外で生活される皆さんに伝えておきたいことがあります。
海外で車を運転したい場合、日本の免許は使用できませんので国際免許証発行の手続きを行う必要があります。(国際免許証は、海外に滞在している際に身分証明書として使用できる場合があります。)
国際免許証の発行は免許センター、運転免許試験場や警察署で行うことができますが、発行には時間がかかることもあるため時間に余裕を持って手続きを行ってください。
国際免許証の有効期限は1年です。
1年以上滞在する場合は現地の免許証に切り替える、あるいは現地で試験を受けるなどの必要があります。
地域によっては、入国してから一定の期間を過ぎると運転免許証の切り替えが行えない場合もありますので、十分注意してください。
最後に、役所手続きには以下のものが必要になります。
必ず揃えてから役所へ行きましょう。
- 身分証明書
- パスポート
- ビザ
- 年金手帳
- 健康保険証
- 住民基本台帳カード
- マイナンバーカード
まとめ
これらの手続きは、渡航期間やお住いの市区町村によって手続きの方法が異なります。
必ず役所に確認をとりながら手続きを行ってください。
また法改正によっても内容が変わる場合があります。
退職後に留学に行く方は、退職後の役所手続きも済ませておくことも忘れないでください。
手続きによっては時間がかかる場合がありますので、直前に慌てないよう余裕を持って行動していきましょう。