海外在住者や留学生において必ず上位にランクインしてくるものが、『ホームシックになったらどうしよう。』という悩みや不安。
そしてまだ海外に行く前からその心配をしてしまう人も少なくありません。
私は現在、ワーキングホリデーも含め海外生活は4年目に突入していますが、この悩みは特に初めて海外に来たばかりの頃の時期には特に付いて回ってきます。
かといって私自身4年めにしてホームシックにならないということはないのです。
もしかしたら留学生やワーホリ経験者の中にはホームシックなんかにならなかったという人もいるかもしれないけれど、誰も口にはしないが実際少なからずホームシックになる人がほとんどだろうと思います。
そして自分は絶対大丈夫なんて思っている人も気づかないうちにホームシックとなっている場合もあります。
私の経験を通してホームシックの解消法、克服できるようになるまでの体験談をお伝えしたいと思います。
そもそもホームシックとは??
例えば初めて一人暮らしをするとき、実家の家族や親しかった友人を離れて、一人になるとき、どうしようもなく寂しさに襲われます。
特に夜です。
部屋でポツンと一人になる時間に、ああ、帰りたい!寂しい。もう誰かに会いたい!そんな気持ちがそこからか自然と湧いてきます。
それは、子供だろうが学生だろうが、はたまた30代の大人でも起こりうる自然な現象なのです。
ホームシックは『愛情と安心に対する本能的欲求』だと言えます。
それに加えて初めて生活する海外という未知の場所で、よく知らない人ばかりの中では、守られているとか愛されているというような安心感を得るのは大変です。
そもそも外国人に囲まれた英語環境だとしたら、自分のことをわかってくれる人はもちろん、親しく話せる友人なんかが周りにすぐできるかというとこれは非常に難しいと言えます。
コミュニケーションすらなかなかうまくいきません。
また、たとえ、新しい場所や体験が好きな人でも、なじみがないということは驚くほど落ち着かないものです。
また、身の回りのこと全てを自分がやらなければならなくなり、私は海外に来てやっと母親の有難みを感じました。
日本から故郷の味噌やお菓子など、送られてくる荷物には何より愛が詰まっています。
家族の存在の意義がわかったような気がしました。
私たちは無意識のうちに精神的に依存しているんですよね。
人の温かさや自然の多さ、地元の友達を懐かしく感じ、日本にいた頃の生活が恋しくなります。
本当に海外留学生の多くが陥る症状です。
人は『いつもと一緒』という状態に安心感を感じます。
だから、新しい環境でこれらが感じられないと、家族のいる故郷が恋しくなり始めるのです。
ホームシックは、大きな変化に対応しきれない時に働く防衛本能のようなもので、『寂しい』『落ち着かない』『何もしたくない』という気分になってしまいます。
そこでそんな状況に陥ってしまう前に、ホームシック対策をしていきましょう。
気分転換を思いっきりしてみよう
好きな音楽を心ゆくまで聴いたり、好きなお笑い番組を観るなど、気晴らしや気分転換を思い切りすることが手っ取り早くできる解消法ですよね。
今はインターネットが活用できるので日本のメディアからおいてかれることはないはずです。
海外でも日本のテレビ番組を視聴することも可能です。
普段は見ないような番組でも心を落ち着けるには十分です。
私は日本から送ってもらった雑誌は端から端まで読みあさりました。
それほど海外では日本語に飢えます。
日本からあらかじめ自分の好きな本を持参するのも良いでしょう。
テレビを見たり音楽を聴いたりすることで、好きなことをしている間は、ホームシックの気持ちを忘れることができます。
こういったツールを使うことができるように、パソコンやスマートフォンを活用し、ネット環境に居られるようにするといいですね。
特に今まで日本で見ていた番組を見たり、漫画を読んだり、これまでやっていたことをあえて我慢する必要はないということなんです。
英語の勉強が目的で新しい海外という地に来たのに、勉強もせずに好きなことをすることに後ろめたさを感じるかもしれないですが、それを我慢することでホームシックになるようならたまには息抜きも大事でしょう。
それが勉強とかけ離れたものであっても、メリハリをつけて楽しむようにできれば悪いものではありませんから。
それからウォーキングをしたり、ジムに行って汗を流したり、ヨガも海外でも盛んですから、近所のジムやヨガクラスを探して参加してもいいでしょう。
これは健康的ですし、運動が好きな人には良い気分転換になりますよね。
ホームシックの時は、部屋に引きこもり、体を動かさずに頭ばかりを働かせて、無駄なことを考えてしまい、その暗い気持ちから抜け出せなくなる状況になってしまうかもしれません。
逆に、クタクタになるまでバイトをする、運動をする、とにかく走るなど肉体的に疲れれば、夜に余計なことを考えずに、ぐっすり眠ることができます。
睡眠が十分取れれば気持ちもすっきりすることはまちがいないでしょう。
また、感情を表に出すことでも気分転換になります。
辛いときには思いっきり泣いて泣いてもいいんです。
ここは海外ですからね。
現在の環境を楽しんでみよう
単純にホームシックになる状況を消していくことが大事です。
つまり、できるだけ人と関わって積極的にアクティビティに出掛けて、楽しむ環境を作る心がけをする、これが大事です。
アクティビティと言ってもそんな大きなイベントに参加する必要はないんですよ。
ただ単に友達とカフェでお茶したり、日本食レストランに行ってみたり。
ちなみに美味しいものでお腹を満たすと暗い気持ちは吹きとびます。
留学初期は、気の知れた友達はなかなかすぐできないかもしれませんが、積極的にコミュニケーションを取りにいく気構えが特に必要です。
必要以上に遠慮しやすい日本人は『旅の恥はかき捨て』くらいに考えて丁度よいと思います。
誰かに話しかけて相手の言葉が理解できなくても、笑顔と真摯さがありさえすれば、不快に思う人などはいないでしょう。
私がカナダで過ごして本当に思うのは日本人はとてもシャイな人種だということです。
海外に暮らしてみて、電車の中でもどこでも知らない人が世間話を声かけてきます。
若い人でも。
日本で言うとしたら関西のおばちゃんのような感じですね。
とってもフレンドリーです。
なのでここは海外と思って違う自分を演出してみるといいでしょう。
友達との会話が楽しい、毎日あたらしい発見がある、といった前向きな気持ちになれれば、寂しさや辛さはかなり克服できます。
今までやったことのないものにチャレンジしてみるのもいいでしょう。
興味はあるけどやったことがないことや、できると思えなくて諦めていた、新しいことに勇気をもって挑戦してみましょう。
まだ行ったことがない場所に出かけてみる、料理の練習をする、習い事を始める、自分から趣味や新たなことを増やすことで、気持ちが前向きになってくるものです。
せっかく海外にいるのですから自分のお気に入りになりそうなカフェを見つけたり、雑貨屋を見学するなど自分の好きなことと関係のある場所や、自然がいっぱいあって癒される場所などを、友達と出かける機会にもしかしたらお勧めできるようなところを知っておくと助かります。
それでも、うちに帰って一人になる時間は絶対あるし、24時間友達と一緒なんていうのは不可能、と思う方、そんな時は通信機を活用しましょう。
現代はSNSを使って日本の友達とも日本にいるときと変わらず連絡が取れます。
しかも特別に国際料金は必要ないものがほとんどです。
LINEでも通話できますし、FACEBOOKメッセンジャーもできます。
スカイプやFACETIMEを使って家族や友人とも顔を見て話ができます。
電話して自分の本音を言いましょう。
親や友達など気の許せる相手にとことん自分の心情を吐露しましょう。
距離的には離れていても、心はいつも近くにあるのだと勇気づけられることでしょう。
話したい人と話すことが、心に一番の安らぎを与えてくれます。
そうやって少しでも一人ぼっちで暗くなる環境を排除していくことができるとホームシックを和らげることができるはずです。
何のために海外に来たのか自分を見つめ直そう
気分転換をしたり、出かけてみたり、いろいろ努力したけどやっぱり寂しい。という気持ちは拭い去れない時もあります。
正直慣れるしかないんですよね。
でも、そんなことは皆わかってます。
そんな時、「自分がなぜ海外にまで来てやりたかったことは何なのか?」もう一度自分にたずねてみてください。
『留学は何のためにしたのだろう。』、『このままで英語が身につくのだろうか』、『いつになったら、外国人との集まりを楽しめるようになるんだろう。』『いつになったら、“日本に帰りたい”と思わなくなれるのだろう。』不安はたくさんあると思いますが、『日本の生活と留学生活、その違いは何だろう。』このことをもう一度考えてみてください。
そして大切なのは、昔の生活を理想化するという悪い習慣はやめましょう。
おそらくこの留学は期間を決めて、目標を定めてきたはずです。
海外生活が思っていたようにうまくいかなかったり、ただ単に日本が恋しくなってしまったり、、。
この生活が一生続くわけではないということを考えてみてください。
期間が決まっている海外滞在の場合は一生ではないと気持ちを切り替えることで乗り切れる場合もあります。
期間が未定でもいざという時は飛行機に乗ったら帰ることができると軽く考えましょう。
そうしたら、今日頑張れたらまた明日がやってきます。
悲しくても寂しくても不安でもなんでもいいから、とりあえず一日一日と日を重ねていきましょう。
気軽に。気軽にです。
海外に適応でき、自信をもてて生活できている自分が無条件で明日やってくるとしたら、それを手に入れたいでしょうか。
『海外にいる幸せな自分になりたい』と思っているかどうかを自分に聞いてみましょう。
日本に帰るか否かの選択になって、帰国を思いとどませる要素は『海外で自分の目標が達成できる』と信じられるかどうかではないでしょうか。
もしそうではなく、日本で他にやりたいことがあるのなら、日本に帰ることも考えてもいいです。
日本のほうが幸せになれると心から思うなら、海外にいる時間はむしろ勿体無いですよね。
さっさと、できるだけ早く日本に帰ったほうがいいです。
しかし、日本に帰りたい理由が、『どうしても寂しい、今の苦しみから逃れたい』という『逃げ』だったら、海外でもう少し頑張ってみてはどうでしょうか。
海外へやってきた時の『ここで頑張ろう』という初心を思い出して、その気持ちが今もあるのなら、あと少しだけだと思って過ごしてみましょう。
そうやってあと少しずつ頑張ろうと踏ん張っていると気づくと海外の生活を楽しめるようになっているものです。
まとめ 結論 ホームシックになることは悪いことじゃない
ホームシックになること自体は、冒頭でお話ししたように人間の本能であって決して悪いことではないんです。
むしろ、自分がホームシックであることを認識し、そういった経験を乗り越えたりすることで、自分の成長につながることも多いものです。
また、ホームシックを体験することで、実家の家族や友人たちの周囲のありがたみを実感し、再確認することもできます。
不安や寂しい気持ちが増えてきたら、まずはできることから少しずつ、自分のペースで進むようにしていきましょう。
ホームシックの寂しさを昇華させ、自分を高めることができれば、ホームシックの日々も無駄ではかったと思える日が必ずきます。
あなたもホームシックに負けないで、諦めず、充実した海外生活になるように気持ちを少しだけ前向きにしてみてください。
そして、海外生活という恵まれた環境で人間的にも大きく成長できる日々を送ってくださいね。